(公財)アジア女性交流・研究フォーラム(KFAW)では、毎年、独立行政法人国際協力機構九州国際センター(JICA九州)の委託を受け、開発途上国のジェンダー主流化を担当する中央政府及び地方政府の行政官を対象に研修を実施しています。
2016年度は、6月と1月の2回実施し、2回目は1月11日(水)から2月10日(金)までアフガニスタン、アルバニア、カンボジア、エジプト、フィジー、ナイジェリア、パキスタン、パナマ、パプアニューギニアの9カ国9名の行政官を対象に実施しました。
研修は講義、ワークショップ、視察、研修員による研修成果の発表といった方法で、ジェンダー主流化のための概念、手法、理論などを包括的に学びます。「女性と平和」研修では広島市を訪問し、原爆ドームや広島平和記念資料館を視察した後、女性被爆者の体験を聴きました。JICA研修員は、原爆ドームを間近に見てその計り知れない破壊力を感じ、資料館では人々の暮らしが一瞬で失われたことを知りました。また、女性被爆者の体験談では、悲しく生々しい体験談に涙する研修員もいました。
ある研修員は、「ありのままの当時の悲惨な体験を語り続けてくれる被爆者の皆さんの勇気ある行動に敬意を表します。話して頂いた内容は、自国に戻って多くの人に話したいと思います。私は広島で起こったことを決して忘れません。」と話していました。
広島市での「女性と平和」研修は、ジェンダー主流化政策を進めるにあたり、その根底にある平和について、国や宗教を越えて研修員同士で一緒に考えることのできる貴重な研修となりました。