1.日時 | 2016年9月21日(金) 13:00~15:00 |
2.場所 | 北九州市大手町ビル5階 小セミナールーム |
3.講師 | 小川 全夫(福岡アジア都市研究所特別研究員) |
若いイメージが強いアジアにも、少子高齢化の波は着実に押し寄せており、国連の人口推計によると、2040年の高齢化率は韓国では30%を、中国では20%を超えると予測されています。
こうした社会では、これまでのような年齢による区分けや価値観では社会を支えることができません。年齢や性別に関係なく老若男女すべての人にとっての可能性を開花させるまったく新しい社会の仕組みをつくる必要があります。
講演では、男女共同参画の視点を取り入れながら、高齢者の地域活性化への貢献や新しいビジネスモデルの構築、日本版CCRCの可能性など、さまざまな論点について地域や年代を越えて考えました。
講演の中で小川氏は、新しい高齢者の生活様式に関して、亡くなるまで住み慣れた場所に住み続けるというAgeing in Placeが一つの理想であると解説し、Ageing in Placeを実現可能にするために重要視されている、地域包括ケアシステムへの挑戦や日本版CCRCの挑戦、コンパクトシティへの挑戦、アメリカのNORC-SSP、EUのAmbient Assisted Livingプロジェクトについて紹介しました。
また、新しい女性の生活様式として、家事労働を社会保障の対象とする考え方や、外で働きづらい子育ての期間の労働時間を子育て後に配分するなどの生涯労働時間保障と労働時間貯蓄というドイツの考えを紹介しました。
そして、人生において私たちは様々な岐路に立ちますが、配偶者選択における配偶者観、労働選択における労働力観、自由時間選択における余暇活動観など価値観を再考しモデルを構築することが、高齢化の最先端である日本の使命であり、アジアの今後をつくっていくことになるのではないかと締めくくられました。