(公財)アジア女性交流・研究フォーラム(KFAW)では、毎年、独立行政法人国際協力機構九州国際センター(JICA 九州)の委託を受け、開発途上国のジェンダー主流化を担当する中央政府及び地方政府の行政官を対象に研修を実施 しています。 当研修の目的は、開発途上国における男女共同参画社会の実現に向けて、ジェンダーを主流化する施策を総合的か つ効果的に推進することができる行政官を育成することです。今年は、2014年5月26日から6月20日まで4週間にわたり、7カ国から8名の研修員を受け入れ、研修を実施しました。
この研修は、講義、ワークショップ、視察、発表をバ ランスよく組み合わせた研修です。特に、地方自治体の行政施策、NPOや民間企業の実践実例を学ぶなど、ジェ ンダー主流化のための概念、手法を、理論と実践の両面 から包括的に理解できるカリキュラムになっています。 研修の始めに、課題を共有するため、各国が抱えるジェ ンダー問題を発表し、ディスカッションをしながら分析 することで、お互いの国の状況を学びあいました。また、それぞれの経験を通じて、ジェンダー問題が起こる原因と、どのような対策が必要なのかを討議しました。
その後、研修員が自国で、ジェンダー主流化に向けた 効果的な政策を考えるために必要な知識や手法を学ぶ基礎講義やワークショップを実施しました。また、日本の 行政官や専門家から、「CEDAWと日本の取り組み」や「女性と暴力」など、国、地方におけるジェンダー主流化政策の取り組み事例を学ぶことで、ジェンダー平等の視点に立って計画を立案・実施・評価する手法を理解できる プログラムとなりました。
さらに、この研修では市民交流会を行い、市民と直接交流しながらジェンダー問題を語り合う国際交流の場も提供しました。その他、市内の保育園、小学校などを視 察し、子どもたちとの交流を行いました。
研修の最後には、研修中に学んだPCM(Project Cycle Management)手法を使ってアクションプランを作成し発表会を行い、研修を終了しました。