1. 日時 | 2015年6月12日(金)18:00~20:00 |
2. 場所 | 北九州市大手町ビル5階 小セミナールーム |
報告① | 北九州市の男女共同参画関連団体の生い立ちと活動 |
神﨑智子(KFAW主席研究員) | |
報告② | ネパール地震と現地NGOの活動 |
田中雅子(上智大学総合グローバル学部准教授) 佐野麻由子(福岡県立大学人間社会学部准教授) |
まず、神﨑智子KFAW主席研究員が「北九州市の男女共同参画関連団体の生い立ちと活動」について報告しました。神﨑主席研究員は、女性団体の生い立ちと活動を、①市の担当組織、②女性プラン、③活動場所、④有識者会議、⑤国際的な機運の5点から分析し、北九州市初の担当組織である婦人対策室の誕生は、有識者会議の提言がもとになったこと、その後、女性団体は、啓発活動や行政と市民とのパイプ役を担ってきたこと、女性センターの設置は女性団体の活動を促進したことなどを示して、北九州市の女性政策と女性団体は密接に関連し、相互に発展してきたと解説しました。そして、2015年は、国連創設70年、北京+20など、国際的にも重要な年であるとともに、KFAW設立25年、女性の輝く社会推進室の設置など北九州にとっても大事な年である、さらに男女共同参画社会の推進に努めていきましょうと締めくくりました。
次に、田中雅子・佐野麻由子両客員研究員が「ネパール地震と現地NGOの活動」について報告を行いました。田中雅子客員研究員は、ネパール大地震直後の5月1日に現地に入り、支援活動に参加しました。カースト制度において下位に位置づけられていたダリットの人々の集落では、テントではなくレジャーシートしか配布されていなかったなど集落によって受けている支援が異なっている現状などを報告しました。また、「支援物資も、配給として数をこなすより配布を通じて女性から話を聞くことが大切です。直接話を聞くことで被災者の女性が直面している問題が把握でき女性のケアにもつながる」と人的支援の大切さを力説しました。最後に、田中客員研究員は、これまでネパールでは、カースト・民族や性別による格差や不平等が紛争の一因であったことに留意し、支援によって格差や不平等を一層拡大させないことが大切であると強調しました。
また、会場に設置した募金箱には7,505円の募金が集まり、「ネパール大震災ジェンダー配慮支援の会」の代表である田中雅子氏に手渡しました。