1.日時 2021年10月2日(土)14:00~15:15
2.場所 北九州市大手町ビル3階 (オンライン視聴会場)
報告「地方自治体におけるパートナーシップ制度の現状と課題」
原田 いづみ(鹿児島大学法学部教授)
KFAWでは、ジェンダーや男女共同参画に関するさまざまな課題について、客員研究員による調査・研究を行っています。 これは、国際的動向や視点から見ることによって、国内の課題を明らかにし、ひいては北九州市の男女共同参画の実現に 貢献しようというものです。2019/20年度の2年間にわたる客員研究員の研究報告会を開催しました。
パートナーシップ制度とは配偶者に準じ、性的マイノリティーのパートナー関係を地方自治体が認める制度です。法的な権利義務はありませんが人権保障や社会的地位向上の試みの大きな一歩として注目されています。制度の内容も日々進化しており、都市間連携(転出先の自治体が引き継ぐもの)やファミリーシップ制度(パートナーだけでなくその家族も含める)、事実婚にまで適応を広げる自治体もあります。一方で、各自治体がそれぞれに作り上げた制度であるため、パートナーシップという言葉の定義も制度の内容も統一されたものではなく、都市間連携をしている自治体同士でも制度が違い、転出入の際の手続きが複雑でわかりにくいといった課題もあります。それでも、公営住宅の入居や病院、携帯電話の契約などで公的な機関から配偶者に準じた取り扱いを受けられることは、心理的に大きな支えになると思われます。