1.日時 | 2017年8月27日(日) 14:00~16:00 |
2.場所 | 北九州市立男女共同参画センター・ムーブ5階 小セミナールーム |
3.講師 | ヘルピン・ドゥイジャヤンティさん |
4.参加者 | 40名 |
KFAWでは、インドネシアのデポック市出身で、福岡で子育て中のヘルピンさんをお招きし、インドネシアの社会や文化、男女の生き方について、ご自身の体験談や日本との比較を交えながらお話しいただきました。
講演内容
インドネシアは、17,000ほどの島に300以上もの多様な人種、民族が暮らす多民族国家です。それぞれが異なる言語を使用しており、肌の色や顔、信仰する宗教や教育、経済や地域開発も異なります。私が日本に来た時に驚いたのは、日本ではみんなが同じ言葉を話し、同じ顔をしていることでした。このような多様性の中、インドネシア人は、学校等では共通語のインドネシア語を話しますが、家庭ではそれぞれの言語を話します。私もイスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教などさまざまな宗教を信仰する友達がいましたが、インドネシアの国是「多様性の中の統一」にもあるように、みんながそれぞれを受け入れ、尊重して暮らしています。インドネシアでは、宗教は毎日の生活に溶け込んでいます。87%のインドネシア人がイスラム教を信仰し、イスラムの価値観に基づいた生活をしています。1日5回行う礼拝は、心と体をきれいにするためのもので、モスクはデパートや駅、会社の中にもあります。
イスラム教の教えでは、近所やお年寄りを大切にするということはとても大事なことです。私の住んでいた地域には40世帯ほどの家族があったのですが、皆が、すべての人の名前と何をしている人なのかを知っていました。誰かが助けが必要な時は、皆が助けに来ます。
また、結婚はイスラム教が推奨する良いことの一つであり、インドネシアの人々は家族を中心にした暮らしを送っています。父親はリーダーとして家族を養い、母親は神への信仰を持つ子どもたちを育て世話をする役割があります。イスラム教では、「天国は母親の足の裏にある」といわれており、子どもは親を尊敬し感謝することが奨励されています。私は現在結婚して、3人の子供を育てていますが、私の夫は今でも実家のお母さんへの送金を続けています。これはインドネシアでは特別なことではありません。
インドネシアの女性は、教育、法律、政治において男性と同じ機会を持っており、教師、医者、従業員、実業家、官僚、警官などさまざまな分野で働いています。女性が働いている間、インドネシアの家庭ではメイドやベビー・シッターなどのホームアシスタントが子供の世話をしています。大体の家庭にはホームアシスタントがいますし、最近では託児所を利用する女性も増えています。もちろん近所に住む両親も助けてくれます。
このようなサポートと高い教育を受け、マネージャーやCEOとして活躍する女性もいます。最近では、スラバヤ市長のリスマ氏や海兵相のスシ氏のように、特に高い職位で活躍する女性も見られるようになりました。
※講演後には、参加者の皆さまから多くの意見をいただき、活発な質疑応答が行われました。