(財)アジア女性交流・研究フォーラムでは、新たな国際連携事業として、在福領事館の総領事による講演会「KFAW領事館シリーズ」を開催することになりました。そのシリーズ第1弾として、 2012年8月18日(土)に北九州市立男女共同参画センター・ムーブにて、国際理解セミナー「中国の若者はいま」を開催しました。定員を上回る100名近い方がたにご参加いただき、中でも、参加者の4割が男性、3割が30歳代以下と、当財団の主催事業としては、男性と若者の参加率が高かったのが特徴です。
今回のセミナーでは、中華人民共和国駐福岡総領事館の李天然(リ・テンネン)総領事を講師に迎え、中国における就職、結婚、家族などについてお話いただきました。
中国では、一人っ子政策や、急速な経済発展、計画経済から市場経済への移行に伴って、若者の考え方にも大きな変化が見られます。
まず、結婚においては、以前のような、家が決めた相手と結婚する若者は近年減少しており、現在では自由恋愛、自由結婚が主流ということでした。また、現在の中国では、「男性(父親)=仕事、女性(母親)=家事、子育て」という固定的性別役割分担は一般的ではなく、女性が外で働くことが当たり前になってきているとのことです。さらに、高い離婚率や晩婚化も問題になっており、日本が抱える問題と重なる点も多くありました。
また、中国では農村部と都市部の経済格差が深刻で、農村部では経済的理由から、きちんとした教育を受けることができない子どもが数多く存在します。さらに、農村部では労働力となる男の子を希望する家庭が多く、中国の男女の出生率の差が深刻な問題となっていることが指摘されました。
このほか、中国の習慣や就職問題にも話題が及び、中国の若者や社会を知る良い機会になりました。
セミナー後半で行われた市内大学生との意見交換では、たくさんの質問が出されました。最後に総領事から「未だ問題は多くありますが、もっと大局的なものの見方をすれば、今後の日中関係は明るくなるのではないかと思います。次世代を担う日中両国の若者が友好的に協力して、国際社会で活躍することを期待しています」との真摯なメッセージが送られました。